ローマ帝国時代のラテン語には
文語としての古典ラテン語と口語としての俗ラテン語が存在したが、その差はさほど大きくなかった。衰退期にはいると文語と口語の差は徐々に広がってゆく。やがて、一つの言語の変種とはもはや呼べないほどにまでその違いは大きくなり、古典ラテン語の知識のない庶民にはもはや理解困難なほどにまでなる。その時代の口語をロマンス語と呼んだ。そのロマンス語で書かれた文学作品が、ロマンスと呼ばれるようになり、ギリシャ・ローマの古典文学の対立概念とされるようになった。ロマン主義(ロマンティシズム)の語源は、ここにある。したがってロマン主義の「ロマン」とは、「ローマ帝国の(支配階級、知識階級ではなく)庶民の文化に端を発する」という意味である。
update:2009年09月11日
